講座紹介

老年期とは人生において最終の発達段階であり、「加齢現象」および 「死」をも視野に入れたライフサイクルです。 加齢とともに身体的な機能は衰え自立性は低下し、自分らしく生きることが障害されていきます。しかし、精神的には人間は生涯発達し続けると言われており、老年期も例外ではありません。 エリクソンは老年期の発達課題を「自我の統合」としています。つまり「いろいろなことがあったけれども、私の人生はこれでよかったのだ」と自分の人生・生活を意味あるものにまとめていくことが大きな課題であるとしています。こう思えることで死への恐怖や不安も克服できますが、この課題を達成できなければ、人間は「絶望感」のなかで生きることになるとしています。 この課題を達成できるかどうかは、今までの人生をどう生きてきたかそして今をどう生きるかが大きく影響します。そこで、高齢者ケアで重要なことは、「その人らしい生活をいかに維持させることができるか、そして安らかな終末にいかにソフトランディングさせることができるか」ということです。 では、「その人らしく生きる」とはどういうことなのでしょうか。これらを理解することによって、私たちは、高齢者をより深く理解することができ、高齢者にどのように関わったら良いのかということも考えることができるようになります。 私は老年看護学の教育において、「その人らしさを支えるケアが提供できる人材の育成」を目指しています。また、大学内での教育に留まらずに現場にも広く情報発信し、高齢者ケアの質の向上に寄与していきたいと考えています。

Written by